インタビューに答えるアウンチー情報相=春日孝之撮影
ミャンマーのアウンチー情報相(66)は5日、首都ネピドーで日本のメディアとして初めて毎日新聞との単独インタビューに応じた。メディア改革の次の重要なステップとして、国営テレビをBBC(英国放送協会)のような公共放送に改編する方針を初めて明らかにした。
内外メディアを統括する情報省は11年の民政移管でテインセイン政権が発足して以降、検閲制度の廃止(昨年8月)など矢継ぎ早に「報道の自由」を拡大する政策を打ち出してきた。
アウンチー氏は「次は(情報省傘下の)国営MRTVの改革だ」と指摘。「編集や財政を独立させて自主運営する組織にしたい。たぶんBBCにとても似ている」と説明した。
活字メディア分野の改革では、これまで国営紙に限られていた日刊紙について、今月1日から民間の参入を認めた。アウンチー氏は、既に許可した16紙以外 にも「申請があれば全て許可する」と明言した。情報省筋によると、将来的には国営紙も、情報省の管理から切り離す構想だという。
一方、アウンチー氏は労働相だった旧軍政期の07年、民主化運動への弾圧で多数の死傷者が出た事件を受け、軍政トップのタンシュエ氏と自宅軟禁下のアウンサンスーチー氏との間をつなぐ連絡担当相の兼務を始めた。
アウンチー氏は、当時独裁者とも呼ばれたタンシュエ氏から「(スーチー氏との関係を修復し今後)どう協力していくか、その手段とアプローチの手段を探れ と指示された」と証言。「国民の利益のためにスーチー氏と何度も誠実に対話を続けたが、対話は一部当局者により時々後退した」と、民主化勢力を敵視する強 硬派の妨害に遭ったことを明かした。
アウンチー氏は軍少将出身で昨年8月、情報相に就任。テインセイン政権の民主化改革を支える開明派として知られる。
【ネピドー春日孝之】
0 コメント:
コメントを投稿