住宅大手、大和ハウス工業グループの大和リースは9日、低価格、短工期で建てられる発展途上国の低所得者向け住宅を開発したと発表した。国内では、災害が起きた際の仮設住宅に転用できる=東京都港区【時事通信社】
大和リースなどによるFRPの住宅。発展途上国の低所得者向け住宅として途上国で製造する=9日、東京都港区赤坂
大和ハウス工業子会社の大和リース(大阪市中央区)と坂茂(ばん・しげる)建築設計(東京都世田谷区)は9日、発展途上国の低所得者向けプレハブ住宅を共同開発したと発表した。2~3年後を目標にカンボジアやミャンマーなど東南アジアで生産を始め、現地の住宅需要を開拓する。
新たなプレハブ住宅は、1995年の阪神淡路大震災以来、国内外の仮設住宅の建設・設計に携わってきた建築家の坂茂・京都造形芸術大教授に対し、大和リースが共同開発を依頼したことをきっかけに実現した。
今後懸念される南海トラフ地震など国内の大災害が発生した場合、被災地の応急仮設住宅の需要に対応する。
ただ、災害時の仮設住宅を軸としたビジネスでは採算がとれないと判断。東南アジアでプレハブ住宅の部材をつくる海外工場をつくり、現地の低所得者向け住宅として事業を開拓する。
ベトナムやインドネシアなど東南アジア数カ国で工場設置を検討しており、「現地の住環境を良くするとともに、雇用も創出する」(森田俊作・大和リース社長)考えだ。
1日で手軽に組み立て可能なうえ、2階建ても可能で、台所やトイレ、シャワーを完備。価格は建築面積約10坪(約33平方メートル)で130万円程度だが、量産化が進めば「もっとコストダウンが図れる」(坂氏)見通しだ。
素材はボートなどでよく使われるFRP(繊維強化プラスチック)を使用し、断熱機能はあるが、防音効果などは検証が必要としている。
「今後さらに快適性を追求する」(同社)といい、手軽でローコストな新たな住宅として途上国に提案していく計画だ。
「海外に生産ラインがあれば、国内で災害が起きたときにもすぐに対応することできる」と話す大和リース(株)代表取締役社長の森田俊作氏
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