ミャンマー 外資導入に不透明感 新投資法成立 規制混在、妥協の産物
Written By site on 2012年11月4日日曜日 | 6:33
ミャンマーにおける経済改革の大きな焦点であり、外国企業と投資を呼び込むための新外国投資法が3日までに、大統領と議会との長期にわたるせめぎ合いの末に、ようやく成立した。総じて外資の導入促進に慎重で、規制色が混在する妥協の産物的な内容。不透明感も残されている。
外資の導入促進を経済発展と改革の柱とするテイン・セイン大統領は昨年9月、旧外国投資法(1988年制定)を改正し、新外国投資法を制定する方針を閣議 決定した。当初は今年4月の新法成立を目指したが、連邦議会で政府案の修正に手間取り、法案が議会で可決されたのは9月7日。この過程で、政府案は約 100カ所もの修正を施され、これを大統領は不満とし法案に署名せず、法案は一時、不成立となった。第1段階の攻防である。
第2段階の攻防は、大統領が11項目の要望を添え議会に法案を差し戻したことに始まる。11項目のうち、議会は10項目を受け入れ今月1日、修正法案を再可決した。大統領も2日に署名し、新法の成立に至った。
一連の攻防は古い秩序と新秩序とのせめぎ合いであり、「国内企業の利益保護、外資規制」の声を背にした議会と、「外国企業への開放、経済改革」を推進する大統領という対立構図を軸に繰り広げられた。
象徴的なのが、めまぐるしく変わった外資の出資規制だ。ミャンマー、外国企業などとの合弁事業については、議会側の意向で外国資本のシェアが当初、 35~49%に規制された。外国企業の進出時の最低資本金も旧法の50万ドル(約4021万円)から、500万ドル(約4億214万円)に引き上げられ た。
規制緩和に逆行する露骨な動きに、外国企業からは不満が続出し、大統領も再修正を求めた。
この結果、外国資本のシェアは50%まで引き上げられ、最終的には数字が削除された。最低資本金額も消えた。ただ、この2点は「両者(外国企業とミャンマー企業など)が合意して定める」「ミャンマー投資委員会が決定できる」と規定されており、極めて不透明だ。
新法は旧法との比較で、外国企業に対し(1)土地の利用期間を最大60年から最大70年に延長(2)法人所得税の免税期間を3年から5年に延長-などの優遇措置も盛り込んだ。一方で農業、漁業畜産業などへの投資は規制、禁止し、保護色も色濃く残った。
シンガポール=青木伸行
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