6月3日(日)9時8分配信
ミャンマーの民主化運動指導者、アウン・サン・スー・チー氏は3日、24年ぶりとなる外遊を終える。訪問先のタイでは、難民や出稼ぎ労働者ら、国を出て暮らすミャンマー人の待遇改善のための働きかけを積極的に行った。スー・チー氏は2日、タイの山岳部・メラキャンプに設けられたミャンマー難民のためのキャンプを視察した。国境付近には、ミャンマー中央政府との衝突や迫害から逃れてきた難民が約15万人いると言われている。難民の代表からキャンプでの生活ぶりの聞き取りをしたスー・チー氏は、タイ側に学校や病院施設を充実させるための支援を要請したという。
スー・チー氏の今回のタイ訪問は国際会議への出席が名目だったが、滞在中、難民や出稼ぎ労働者など国を出て暮らさざるを得ないミャンマー人の実情の視察や生活向上のための働きかけを積極的に行った。出稼ぎ労働者や難民は「貧困」「少数民族との衝突」というミャンマーの内政問題が引き起こしたもので、外遊中に彼らの話を聞くことで、こうした問題に取り組む姿勢を改めて国内外に示したものと言える。
スー・チー氏は、視察による印象を「出稼ぎ労働者や難民がいなくなるよう、ミャンマーは変わらなければならない。我々は、国に平和と安定をもたらす必要がある」と話し、国際会議のスピーチでミャンマーの国民生活向上のための投資を国際社会に呼びかけた。今回のタイ訪問で見せた「改革が進むミャンマーのシンボル」としての存在感は、今月中旬から予定されるヨーロッパ歴訪でさらに高まることになりそうだ。
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