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死者80人、避難民9万人超 ミャンマー・ラカイン州の衝突

Written By site on 2012年6月21日木曜日 | 6:45

6月21日(木)19時10分配信
 【シンガポール=青木伸行】ミャンマー西部ラカイン州では、仏教徒と、イスラム教徒のロヒンギャ族との衝突が非常事態宣言後も収まらず、死者は80人以上、避難民は9万人以上にのぼっている。

 今月10日夜に非常事態宣言が出されたラカイン州には、陸・海軍が投入され厳戒態勢が敷かれている。その間隙を縫うように、19日には州都シットウェから約65キロの村で新たな衝突が発生、8人以上が死亡した。

 ロヒンギャ族が5月28日、仏教徒の27歳の女性を暴行した事件を契機に拡大した衝突では、多くの行方不明者もおり、死者数はさらに増える見通し。また、女性を暴行した3人のロヒンギャ族は逮捕され、1人は拘留中に自殺し、残る2人は死刑判決を受けた。

 深刻な問題となっているのは大量の避難民だ。その数は世界食糧計画(WFP)の推計によると、約9万人。WFPはコメなど2800トンの緊急食糧を用意し、6万5千人に支給したものの、2万5千人にはなお、行き届いていないとしている。

 ミャンマーでは2008年、台風の被害で13万8千人以上が死亡した。このとき当時の軍事政権は、国際社会からの支援受け入れを事実上、拒んだ経緯がある。非政府組織(NGO)のアムネスティ・インターナショナルの関係者は、「ミャンマー政府の今回の対応は台風被害時に比べると、はるかにいいが、それでも遅い。人道支援は急を要している」と指摘する。

 ロヒンギャ族の避難民は陸・海路で、国境を接するバングラデシュに押し寄せている。だが、バングラデシュはすでに、過去にミャンマー政府の弾圧から逃れてきたロヒンギャ族約30万人を、公設キャンプなどに抱えており、新たな避難民の流入を拒絶している。
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