インタビューに応える味の素の伊藤雅俊社長=25日、東京都港区(写真:産経新聞)
味の素の伊藤雅俊社長は25日、産経新聞のインタビューに応じ、民主化を進めるミャンマーで、今年度内にも主力製品の「味の素」の製造販売を13年ぶりに再開する考えを示した。
同社はミャンマーに1996年に進出したものの、軍事政権下の影響が強まった2000年4月から事業を休止していた経緯がある。
伊藤社長は「(ミャンマーには)タイと同じくらいの人口がおり、将来の市場拡大が期待できる」と強調。民主化の進展に伴って高い経済成長が見込まれることから、すでに缶コーヒーや風味調味料、味の素について同国での製造許可を取得しており、社内準備が整い次第、事業を再開する方針を示した。
アジア以外での事業展開では、アフリカの北・東部に新拠点の設置を検討するという。海外戦略の姿勢について、「早く参入し、時間かけて育てることでブランドを着実に根付かせる」と述べた。1991年に進出したナイジェリアでは、営業担当者が国内全域をまわって小分けにした味の素などの調味料を1袋5円で販売し、100億円程度を売り上げた実績がある。
今後のM&A(企業の合併・買収)の対象とする分野については、「調味料や食品、先端バイオなどを中心に考える」と述べた。
同社は来年度までに3000億円程度の営業キャッシュフローができる見込みのほか、子会社のカルピスのアサヒグループホールディングスへの売却でも1000億円程度の資金を得られる見通しという。
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