ニャン・ウィン氏
【シンガポール=青木伸行】ミャンマーの野党・国民民主連盟(NLD)は、アウン・サン・スー・チー党首をはじめ、先の連邦議会補欠選挙で当選した43人の議会への初登院を、ボイコットする方向で検討している。スー・チー氏が主張する憲法改正問題が要因で、政権との間に深刻な摩擦が生じている。
スー・チー氏は、軍の権力維持を保障している現行憲法の改正を、最大の目標に掲げてきた。だが、軍事政権下で制定された現行憲法では、新人議員は初登院と議員就任に際し、「憲法を守る」と宣誓することが義務づけられている。
このためスー・チー氏は、首都ネピドーでの議会開会を23日に控え、登院と宣誓を拒んでいる。17日には幹部を首都に派遣し、宣誓の文言を「憲法を尊重する」に修正するよう政権側に申し入れた。だが、憲法裁判所が却下した。NLDは20日に幹部が協議し、テイン・セイン大統領に善処を求めることを決めた。
NLD広報担当者のニャン・ウィン氏は「23日までに受け入れの回答が来れば、議会に出席する。さもなければ90%の確率で欠席する」としている。
問題は大統領が24日まで訪日していることで、ニャン・ウィン氏も「23日までには間に合わないだろう」との見方を示している。大統領にしても、宣誓の文言を修正すれば、政権内の保守・強硬派や軍から反発が出る恐れがあり、難しい判断を迫られている。
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