5日、世界遺産基金の報告書で「回復不能なほど危機にさらされている」10カ所の世界資産がアジアに集中して分布していることがわかった。写真は4月北京の世界遺産である颐和園に設置された24時間監視システム。
2012年5月5日、聯合早報網によれば、世界遺産基金の報告書で「回復不能なほど危機にさらされている」10カ所の世界資産が、中国、タイ、フィリピン、バングラデシュ、アフガニスタン、ミャンマー、ラオス、カンボジア、インド、パキスタンに分布していることがわかった。
経済発展や戦乱、観光ブームなどの影響で、アフガニスタンの仏教寺院から中国の古都までアジアの素晴らしい建築遺跡が消滅の危機にひんしている。ユネスコ世界遺産基金(The Global Heritage Fund)は「危機にさらされているアジアの遺産:失われ行く遺産を救え」という報告書を発表、ここに10カ所の「危機にさらされている世界遺産」を列挙した。
世界遺産基金のエグゼクティブディレクターであるジェフ・モーガンは「この10カ所の世界遺産はアジアと発展途上国で危機にひんしている世界遺産のほんの一部であり、経済の発展により大勢の観光客が突如流入するようになり、現地では保護技術が追いつかずまた略奪も横行している。古代アジアの絢爛たる文化遺産である建築物が消滅の危機にあり、言い換えればアジアの急激な現代化によるストレスの被害にあっている」と警告する。
中国の城壁や古城のほとんどはとり壊れてしまった。世界遺産基金のアジア担当の李広●(さんずいに函、リー・グアンハン))は、中国で現存している山西省平遥古城のような古い町並みはこれらの文化遺産の切迫した保護の必要性をよく説明している。20年前にはこのような町並みは数百残っていたが、そのほとんどが今は取り壊れてしまっていると嘆く。
専門家によれば、世界的な古代建築物の保護は調整が行き届いておらず、国連ユネスコは焦点を豊かな欧州にばかり当てている。ラテンアメリカやアジアでは、世界遺産基金によれば、ユネスコが力を入れているのは8割が富裕な国に偏っている。その他の地域の世界遺産は非常に軽視されており、迅速に援助の手を差し伸べなければ消滅するだろうと指摘している。(翻訳・編集/渡邊英子)
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