5月16日(水)20時49分配信
東京証券取引所と大和証券グループ本社がタッグを組み、民主化が進むミャンマーで証券取引所設立の支援に乗り出している。4月にはミャンマーの中央銀行と資本市場育成の支援に向けた覚書を締結した。ミャンマーは6000万人の人口を抱え、将来の経済成長が見込まれる「アジア最後の未開拓市場」。15年までの証取設立を目指しており、日本の証券業界は同国に「先行投資」を行うことで将来の収益源確保につなげたい考えだ。【浜中慎哉】
「(証券売買などの)システムのサポートをすることも考えており、そのスタートラインに立った」。東証の斉藤惇社長は15日の会見で、ミャンマー支援に向けた意欲を強調した。具体的な内容は検討中だが、証券業務に必要なシステムの提供や人材育成、上場審査基準などの整備で支援する見込みだ。
東証が支援に乗り出した背景には、近年相次いだアジアの証取開設案件で「韓国証券取引所に先を越された」との危機感がある。韓国証取はカンボジアなど2カ国への支援を決めたほか、マレーシアには売買関連のシステムを販売。韓国式の証取運営や資金調達手法が広がれば、アジアでの事業拡大を目指す日本企業が韓国企業より不利な立場に置かれる懸念があり、ミャンマーは「東証が何としても取りたかった案件」(外資系エコノミスト)だった。
東証の希望を可能にしたのが、大和グループでミャンマー支援を担ってきた大和総研の存在だ。同社は1996年にミャンマーの中央銀行と合弁で、株の店頭売買を行う「ミャンマー証券取引センター」を開設。15年以上ミャンマーの証券業育成に取り組んだことによる「大和に対するミャンマーでの圧倒的な信頼感」(東証幹部)が、同国への支援合意につながった。
国際通貨基金(IMF)は、ミャンマーが12、13年とも実質国内総生産(GDP)で6%程度成長すると見込む。民主化を進める現政権が誕生した昨年以降、ミャンマー進出を検討する日本企業も相次いでいる。大和は証取開設支援の実績も強みに、日本企業のミャンマー進出支援で手数料収入などの拡大を図る方針だ。
【キーワード】新興国の証券取引所
新興国では高い経済成長と経済規模拡大に伴って証券取引所も存在感を高めており、世界の証券取引所の売買代金ランキング(国際取引所連合調べ)では11年に上海証券取引所が東証に次ぐ4位。東南アジアではシンガポール、タイが20位台でまだ規模は小さいが、売買代金は拡大している。近年は、これまで証券取引所自体なかった国々で証取を開設する動きが相次いでおり、11年1月にラオス、12年4月にカンボジアが証取での株取引を開始。いずれも韓国証券取引所が開設を支援した。今回東証と大和証券が支援するミャンマーをはじめ、東南アジアでの証券市場の拡大が期待されている。
<ミャンマー>証取の開設支援 東証、大和証「先行投資」
Written By site on 2012年5月16日水曜日 | 6:02
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